１．旧米蔵を改装した山の中の「菜食食堂」で、中山間地の生活に触れる

――お店紹介。店主より――

当食堂のごはんは、こだわって選んだ穀物や野菜を中心とした植物性の素材だけで作るおやだかなごはんです。

旬の素材の持つ力強さ、「食」と「農」のつながり、里山で暮らす人々の知恵や季節感・・・。都市部か

ら離れた山村での暮らしからぼくたちの感じることを当食堂を通してお伝えできればと願っています

▼食堂をはじめようと思ったきっかけ（2014年8月オープン）

　－和歌山に来る前は大阪・堺に住んでいて、8年前に近所で引越した際に子どもが環境の変化に対応できなくて、泣いたり、眠れない日が続き苦しんでいる時に、体に優しい料理や子供の健康のための料理に目覚め、以後料理が楽しくなり、子供の弁当を毎日作っていました

　－そんな「体に優しい料理や子供の健康のための料理」を作る中で、だんだんと土のあるところに住みたくなり、食材を自給できるところと、一戸建てを探していて、地方で探すようになり、紀美野町を知りました。

　－せっかく田舎に行くにあたっては、勤め人ではなくてアルバイトしながらでも何か自営業の仕事を作り出したいという想いがあり、料理が好きだったので一つの選択肢としていつかお店をすることを考えて過ごしていた。そこにちょうどで紀美野町の農家さんのところで「農的暮らし」を学ぶチャンスがあったのと、その農園で蔵を使ったカフェスペースを作るという話がちょうど上がってきました。

    当時は「5、6年間はここでしっかり根を張ってからお店をやりたいな」とぼんやり思っていた程度で2年の田舎の暮らし経験では「田舎の暮らし方」については経験不足だと思ったけれど、これも「チャンスかな」と思い、一度食堂にチャレンジしてみようと思って食堂をはじめました。

▼食堂のコダワリポイント

　－all 植物性の料理

　－お茶も家の近所で採れる手作りのお茶！

　－食材も(今はまだ完全ではないけれど)、優先順位をつけて、できるだけ家の近所＞紀美野町＞和歌山県＞関西＞国産というような感じで探している

　－今あるもの、無理せず手に入るもので献立を考えるスタイルにこだわっている

　－街の中のせっついて暮らしている人たちがほっと一息づける空間づくりができたらいいな

▼未来に向けて

　－飲食店をやる以上、しっかり収益を上げることは当然ながら、単純に食事以外の部分で、保存食・ビン詰め食材・漬け物・乾物など農的暮らしの中から生まれるもので力をつけて表現していたいと思っている。

　－もうちょっとこういう暮らしに興味を持った人と深くつながれるような仕掛け作りをして、そういう方向の企画とかで街の人にお金を使ってもらって、体験してもらって、自分の人生にちょっとでも楽しみを持ってもらえるような影響力を与えられるような存在になりたいと思っている。

　－山の奥には、便利さの影で引き換えに捨ててしまった良いモノがたくさん眠っていて、そういうところを地域の人にくっ付いて行って吸収して、次の世代に伝えて、ぼくたちがそれを実践して続けることそのものが、面白いし、楽しいし、亡くしたくないし、続けることが伝統を残すことに微力ながらつながると思う

▼インターンシップ参加者に対して

　－田舎の仕事って「案外、忙しい！」

　－不便なところに「何かあるんじゃないか」を考え、わくわくする気持ちを持って来てくれたらうれし　　　 いな。

　－田舎に住んでいて、収益性は今は薄くて役場のアルバイトもしているけれど、今後収益性のある何かにいつかつながると信じて楽しんでコツコツ取り組んでいる、というところも見て共感してもらえたらいいな。

                 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（文責：田中）