森のようちえん 野外炊飯の日(奉仕の日)
2014/09/09 10時~15時。
<当日の流れ>
・集合→朝の会→炊飯場まで歩くor車→薪拾い→火おこし→調理開始→昼ごはん→後片付け→終わりの会
・調理は基本的にご飯(飯盒炊爨)、各自の児童の持ち寄った野菜で作った味噌汁のみ。プラス、その時期に合わせた料理(今回はお月見の時期なので、月見団子)
<状況>
・参加児童9人、全員森のようちえん さんぽみちに通っていて、私公立の幼稚園には通っていない。車で30分以内のところから通っている。
・スタッフは4人。(野外炊飯なので今日はスタッフ多い。保育士はスタッフに入れていない。スタッフの免許にこだわっていない→スタッフは育てる)
・親から離れて、子どもだけで参加。親は保育の場には入れない。
・火水木金に登園し、火曜が野外炊飯の日、それ以外は森あそびの日「さんぽみち」、制作、表現活動の日。
・週3日から受け入れしている。
・毎月親にお便りを出している+希望者には写真をディスクに入れて購入してもらっている。親とコミュニケーションは密にとるように心がけている
<保険>
・ボランティア行事保険やスポーツ安全保険に使い分けて加入。
・熱中症や食中毒も含まれているかが大事。
・「森のようちえんでは自然の解説はしません。子どもたちの五感での“体験”を重んじています。」
例、虫や植物の名前を教えながら歩いたりはしない。聞かれたら答える(学ばせることより感じさせることが重要。)。
・親に自然体験させることも重要だと考えている。
「さんぽみち」では親子キャンプという形で実施。
普段のフィールドには無い自然を求めて出かけるのと、親-子-スタッフの交流、親の自然体験を兼ねている。
※親が「良い天気」の日だけでなく「悪い天気」の日にどうしているかを実体験し理解することも重要
・森に調和して溶け込んで遊ぶ子になる。→こどもたちは騒がない。落ち着いている。
<年齢による作業の違い>
・年長、年中、年少児でやることが違う。成長によってやる仕事が別。
年長は年中・年少でやってきたことを発揮する場、自分で何でもする。
年中・年少児にはどんどん仕事を与えている。
・児童は自分で軍手をつけて、拾った枝を小さく折っていく(年長児は自分たちでどんどん進めていく。年中・年少児にはそばに付いて指導する)
・調理道具はスタッフが準備
・現場で「危ないことをした時」「人に迷惑をかけた時」には児童に関わる。相手の子がどんな気持ちになるかを一緒に考える。
・今日の野菜と米とタオル、箸、茶碗などは各自持参している。
・自分で持ってきた食材を責任持って自分で切る(年中・年少児はスタッフと共に)
・年長児がマッチで火を点ける。点けられるまで時間をかけて待つ。(マッチをうまく擦れなかったり、点いた火を新聞紙に移すのが児童はまだまだ苦手)
・年長児は火をつけて飯盒炊飯も担当
・活動で児童がつまらないと感じてもそのまま帰す。→日常のことなので、今日がつまらなかったということも経験。
・ナイフや包丁は年長になってから単独で使わせて、道具の正しい扱いも養う。
・上記のこともあって年少・年中は年長にあこがれる
・音楽や歌はほとんどしない→五感を使った経験の積み重ねが大事で、ココはそれをする場所のため。(ただし表現活動として使うこともある。)
・一人お皿を忘れた子に対して、全員集合してみんなでどうしようか話し合いを行う(⇒ココが教育)。
こどもたちの中から答えを引き出したい。こども自身が問題に向き合う。本人が自分から話させる。会話のキャッチボールができる環境作りを行い、その機会があれは、それにできるだけ時間を割く。
今回の話し合いの結論としては、葉っぱをお皿にすることになり、実行していた。
・活動としてイベントプログラムをこなすよりも教育を重視
・お昼寝は無し。重視していない。帰りのお迎え車中や夕方活動後に家で寝る子もいる。
・終わりの会は、今日の振り返りを行う。(今日は、お皿の忘れ物について。そして調理で作った月見団子について月のこと、暦のことなど)
<観察して気づいたこと>
・今日は野外炊飯の日、「お仕事の日」だと理解しているので、集合してすぐ自主的に薪(落ちている枝)を拾い始める
→今日の自分の仕事の役割を理解している。
・朝の会でみんなで集まって他の人の話をきちんと聞いている姿から、「協調性」が確認できた。
・他の子に自分の見つけたものを教えてあげようとする「思いやり」(柿の実を見つけた)
・年少児でも枝を折る時は、段差の角を使って一人で折っていた。
・コケても泣かない。楽しいから?
・使ったボールを自ら言われる前に洗う。
・トイレの時間を決めて、定期的にトイレに全員同時に行かせる(→他者に合わせることを常々させている。)
・お味噌汁当番(味噌を混ぜて溶いて入れる)があり、混ぜ混ぜしながら、「カタマリがあるなー」「うちの方がめっちゃトロトロやしー」とお互いの会話が自然と生まれている。
―――――――――以下、写真で見る、当日の流れ―――――――――――
今回の現場付近の写真。
「森のようちえん」と言っても、森に近い「自然豊かな管理された公園」で行っているため、和歌山県内でも充分実施可能です。
まずは公園の奥にある炊事場所まで、みんなで歩きます
到着してさっそくカマドの薪用に枝を折ります
薪拾いチームは、近所で薪拾い
調理チームも自分たちの持ってきた野菜を切り始めます。
マッチで火をおこすのも子供達の大事な仕事。
怖いけど、薪に火が付くまで何度も挑戦します。
おっと、一人のこどもがお皿を忘れてくるトラブル発生!
大人が見守りながら、子供たち自身でみんなで協力して解決する方法を探らせます。
トラブルも解決して、みんなで自分たちで作ったお昼ご飯をいただきます。
最後に「終わりの会」を行って、今日のふりかえりを行います。